『トランスワードトロフィー』はたった一度の大敗が、優出の希望を打ち砕くスリル満点の4日間シリーズだ。2016年常滑G1ヤングダービー覇者の松田大志郎(福岡)が、2018年前期審査期間中に切ったフライング2本の長期休みを終えて戦線に復帰。2017年のSG出場は丸亀オーシャンカップのひとつだけだったが、準優に進出と好成績を残した。当地は2014年10月、16年4月戦と連続優勝中で、水面相性は文句なし。3連覇を意識して短期決戦を突っ走る。
 一度の大敗が命取りとなる短期決戦なら、大敗が少ない石田政吾(福井)がクローズアップされる。2017年は優勝4回を記録したように、勝負所ではキッチリと1着を獲る腕とスピードはまだまだ健在。意外なことに当地優勝とはまだ縁がないが、参戦メンバーを見渡せば勝てる位置にいるのは確かだ。前回は予選道中で1着を並べながらも優勝戦は悔しい2着と、またもや当地初優勝がお預けとなってしまった村越篤(香川)も「今度こそは」の気持ちでシリーズに挑む。
 大賀広幸(山口)の走りにも注目したい。2018年前期適用勝率は7.58のハイアベレージを叩き出し、優勝も5回を記録とかつての強豪が強さを完全に取り戻した。予選道中を力強く勝ち進んで当地5回目の優勝を狙っていく。百戦錬磨のベテラン・大場敏(静岡)の柔軟自在なハンドルさばきも必見だ。破壊力のあるスリット攻勢とスピードターンが魅力の奈須啓太(福岡)、前回の2016年6月戦をオール舟券絡みで優勝した佐々木和伸(徳島)、1月から4期ぶりにA1級へ復帰する星野太郎(三重)も上位進出を外さない。
 地元勢ではコーナー派の荻野裕介(東京)が奮闘する。優勝戦線がもつれれば、持ち前の手堅い走りが生きてくる。